科目名 学科・学年・組 学籍番号 氏名 採点結果
2015年度材料力学Ⅲ
-1-
問題 1. 図−1−1に示すように直径 dが 50mm、長さ lが 1mの丸軸がある。以下の問に答えよ。
(1)図−1−2に示すように、両端に 157kN
の引張力 Fが作用するとき、この丸軸の軸
に垂直な断面上に作用する垂直応力 sを有
効数字 3桁(有効数字 4桁目を四捨五入)
で求めよ。
(2)図−1−3に示すように、丸軸の両端に
図に示す向きに 736Nmのトルク Tが作用す
るとき、この丸軸の表面に作用するせん断
応力 tを有効数字 3桁(有効数字 4桁目を
四捨五入)で求めよ。
(3)図−1−4に示すように、軸の両端に157kNの引張り力 Fおよび 736Nmのトルク
Tが作用している。丸軸表面上の任意の点
Pを囲む微小四角形 ABCD(z軸に垂直な 2
平面、ABと CDおよび z軸を面内に含む 2
平面、BCと ADからなる四角形 ABCD)に
作用している応力の作用方向を図−1−5
に矢印で示し、その矢印の脇に応力の大き
さ(絶対値)を示せ。
(4)次ページの図−1−6に点 Pの応力状態
を示すMohrの応力円を描け。ただし、q面(q
軸に垂直な面)、z面(z軸に垂直な面)の
応力状態を示す点、円の中心の横座標、最
大せん断応力 tmaxを示す点、最小せん断応
力 tminを示す点、主応力 s1および s2を表す
点を示すこと。もちろん、座標系の目盛の
数値もきちんと表示すること。
(5)最大の引張応力 s1が作用する面は、z面(z
軸に垂直な面)を何度、どちら向き(時計
回り or反時計回り)に回転した面であるか。
ただし、回転角は有効数字 3桁(有効数字
4桁目を四捨五入)で求めよ。
φd
l
図−1−1
φd
l
FF z
図−1−2
φd
l
FF zT
T
図−1−3
φd
l
FF zT
TAB C
DP θ
y
xoθ
r P
図−1−4
A
B C
D
P z
θ図−1−5
解答(1)丸軸に作用する垂直応力 sは、次のようになる。
[ ][ ]
[ ][ ]
. [ ] . [ ]d
F
450 10
4 157 105 10
4 157 1079 959 10 80 0
m
N
m
NPa MPa
23
3
2 4 2
36
2# ## #
# ## #
#gvr r r
= = = = =- -Y
] g
(2)軸から半径方向に rだけはなれた点に生ずるせん断応力 t(r)は、断面 2次極モーメントを Ipとす
れば、
IT
p
x tt
=] g
で与えられるから、軸の表面では d 2t= であり、I d 32p4r= であるから、
[ ][ ]
[ ][ ]
. [ ]d
Td
dT
32
2 1650 1016 736
5 1016 736
29 987 10m
Nm
m
NmPa4 3 3 3 3 6 3
6
#
##
# ##
#gxr r r r
= = = = =- -[
d
]
n
g
. [ ]30 0 MPa=
となる。
(3)P点を囲む微小四角形 ABCDの面上に作用する応力の向きと作用方向は、次ページの図−1−5’
に示す通りである。
(4)点 Pの応力状態を示す Mohrの応力円は、次ページの図−1−6’ に示す通りである。
(5)最大の引張応力 s1が作用する面は、図−1−6’ から、z面を時計回りに 18.4°回転した面である。
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σ[MPa]
τ[MPa]
o
図−1−6 Mohrの応力円
. .tan21
4030
18 434 18 41 gc ci= = =- [d n
A
B C
D
P z
θ
30MPa
30MPa
30MPa
30MPa
80MPa80MPa
図−1−5’
σ[MPa]
τ[MPa]
o
z面
θ面
-20 20 40 60 80 90-10
-20
-40
-60
-30
20
40
50
60
30
-50
σ1
σ2
τmax
τmin
36.87°
図−1−6’
-3-
科目名 学科・学年・組 学籍番号 氏名 採点結果
2015年度材料力学Ⅲ
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問題2. 図−2に示すように半径 r=30cm、肉厚 t=5mm、長さ l=2m の薄肉円筒が、内圧 p=1MPa を
受けている。今、円筒の軸に沿って z 軸を採り、z 軸
に垂直な平面内に x 軸、y 軸を採るものとする。また
円筒座標系 0-rqz を図に示すように採る。円筒表面上
の任意の点 P を囲む 2 つの xy 平面および 2 つの z 軸
を含む平面によって作られる四角形 ABCD を考える
ことにする。以下の問に応えよ。
(1)軸方向垂直応力 sz、円周方向垂直応力(フープ
ストレス)sq は次式によって与えられる。
,tpr
tpr
2zv v= =i
この薄肉円筒に生ずる各垂直応力、すなわち、sz ならびに sq および半径方向垂直応力 sr を求めよ。
(2)sr は、sz および sq と比較して非常に小さいので、rq 平面内で平面応力状態にあると考えること
が出来る。z 軸方向、q 方向のひずみを夫々 ez、eq で表すと、それらは、
,E E1 1
z z zf v ov f v ov= - = -i i i] ]g g
で求めることが出来る。縦弾性係数 E=70.6GPa、ポアソン比 n=0.34 として、ez、eq を有効数字 3 桁(有
効数字 4 桁目を四捨五入)で求めよ。
(3)円周方向ひずみ eq は、内圧 p が負荷されたことにより円周方向に単位長さのものがどれだけ伸び
たかという量である。内圧が負荷される前の円筒の半径は r であったから、内圧を負荷する前の円
筒の円周方向の長さは求められる。また、内圧が負荷されたことにより円筒の半径が Dr 増加した
とすれば、変形後の円筒半径は r+Dr であるから、変形後の円筒の円周方向長さは求められる。以
上のことから r、Dr などを使って、円周方向ひずみ eq を求める式を導け。
(4)前問(2)および(3)の結果を用いて、半径の増加量 Dr を有効数字 3 桁(有効数字 4 桁目を四
捨五入)で求めよ。
(5)長さの増加量を Dl とするとき、問(2)の結果を用いて Dl を有効数字 3 桁(有効数字 4 桁目を
四捨五入)で求めよ。
(6)円筒の体積の増加量 DV を有効数字 3 桁(有効数字 4 桁目を四捨五入)で求めよ。
σθσz
σz
σθ
z
A
BC
DP
l
図−2
A
B C
D
zo
θ
P
図−2−1
σ(MPa)
τ(MPa)
o
図−2−2
解答(1)与えられた式に数値を代入して各応力を求めると、
[ ][ ] [ ]
[ ]tpr2 2 5 10
1 3 1030
m
MPa mMPaz 3
1
# ## #
v = = =-
-
[ ][ ] [ ]
[ ]tpr
5 101 3 10
60m
MPa mMPa3
1
## #
v = = =i -
-
半径方向の垂直応力 sr は内圧 p が 1MPa であるから、sr = - 1MPa である。以上のことから、
[ ], [ ], [ ]1 30 60MPa MPa MPar zv v v=- = =i となる。
(2)与えられた式に与えられた値および問(1)で求めた値を代入して計算すると、
. [ ][ ] . [ ] . .
E1
70 61
30 0 34 60 1 3597 10 1 36 10GPa
MPa MPaz z4 4# # #g .f v ov= - = - =i- -[] ]g g
. [ ][ ] . [ ] . .
E1
70 61
60 0 34 30 7 0538 10 7 05 10GPa
MPa MPaz4 4# # #g .f v ov= - = - =i i- -Y] ]g g
参考までに、半径方向のひずみを er で表すと、
. [ ].
[ ] [ ] . .E 70 6
0 3430 60 4 3342 10 4 33 10
GPaMPa MPar z
4 4# #g .fov v=- + =- + =- -i
- -Y] ]g g
となる。
(3)問題文に従うと、eq は次式により Dr、r により求められる。
rr r
rrr
22 2
fr
r rD D=
+=
-i
] g
-2-
(7)図−2の円筒表面上に任意の点 P を囲む微小四角形 ABCD(xy 平面に平行な 2 面 AB、CD およ
び z 軸を面内に含む 2 平面 AD、BC から作られる微小四角形)が描かれている。この四角形に作
用している応力の作用方向を図−2−1に矢印で示し、その大きさ(絶対値)を矢印の脇に記入
せよ。
(8)図−2−2に P 点の応力状態を示す Mohr の応力円を描け。ただし、q 面、z 面の応力状態を示す点、
円の中心の横座標、最大せん断応力 tmax を示す点、最小せん断応力 tmin を示す点、主応力 s1 およ
び s2 を表す点を示すこと。もちろん、座標系の目盛の数値もきちんと表示すること。
(9)図−2の円筒表面上の任意の点 P を囲む微小四角
形 ABCD を反時計回りに 45°回転した図が図−2
−3に描かれている。この四角形要素に作用する応
力の向きを矢印で示し、その脇に大きさ(絶対値)
を記入せよ。ただし、各応力の大きさは、有効数字
3 桁(有効数字 4 桁目を四捨五入)で求めよ。ただし、
作用する応力をどのようにして求めたのか、明示す
ること。
A
B
C
Dzo
θ
P
図−2−3
(4)薄肉円筒の半径の増加量 Dr は、前問(3)および(2)の結果から次のようになる。
. . . .r r 7 05 10 3 10 2 115 10 2 12 10 0 212m m m mm4 1 4 4# # # # # #.fD = = = =i- - - -Y] ]g g
(5)長さ l の増加量 Dl は、長手(軸)方向ひずみ ez と l との関係、および問(2)の結果から、
. .l l 1 36 10 2 2 72 10m mz4 4# # # #fD = = =- -] g
となる。
(6)変形後の円筒の体積は、 r r l l2r D D+ +] ]g gで求められる。また変形前の円筒の体積は r l2r で与えら
れるから、DV は
V r r l l r l2 2r rD D D= + + -] ]g g
r r l l r l2 2r D D= + + -] ]g g6 @. [ ] . [ ] [ ] [ ]3 10 2 12 10 2 2 72 10 3 10 2m m m m1 4 2 4 1 2# # # # # #r= + + -- - - -] ] ]g g g6 @" " ", , ,
. [ ] . [ ] [ ]8 7652 10 8 77 10 877m m cm4 3 4 3 3# #g .= =- -Y ] g
となる。
A
B C
D
zo
θ
60MPa
60MPa
30MPa30MPaP
図−2−1’
(7)微小四角形要素 ABCD に作用している応力は、問(1)の結果、および sr が他の応力に比して小
さいことから、上に示す図−2−1’ に示すようになる。
(8)Mohr の応力円は、上に示す図−2−2’ のようになる。
(9)微小四角形要素 ABCD が反時計回りに 45°回転した場合、各面に作用する応力は、図−2−2’
に描いた Mohr の応力円の各面(z 軸に垂直な面および q 軸に垂直な面)の応力状態を表す点を、
円周に沿って反時計回りに 90°移動した点の座標値により与えられる。したがって、z 面(z 軸に
垂直な面:AB 面と CD 面)および q 面(q 軸に垂直な面:BC 面と DA 面)上に作用する垂直応力は、
図−2−2’ から明らかなように 45MPa である。また、せん断応力は、AB 面と CD 面では正の値
で大きさが 15MPa であるから、物体を反時計回りに回転させるように作用しており、BC 面と DA
面では負の値で大きさが 15MPa であるから物体を時計回りに回転させるように作用している。以
σ(MPa)
τ(MPa)
o 1010
20
20
30
30
40
40
50 60-10
-10
-20
-20
-30
-40
z面 θ面90°
90°
o’
τmin
τmax
-15
15
45 σ1σ2
図−2−2’
-3-
上のことから、各面に作用する応力の作用方向および大きさは下の図−2−3'のようになる。
A
B
C
Dzo
θ45MPa
45MPa
45MPa
45MPa15MPa 15MPa
15MPa15MPa
P
図−2−3’
-4-
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